北欧モダンデザインの父、アルヴァ・アアルトが1935年に制作した「チェア 66」は、80年以上の時を越えた今でも世界中の人々に愛されている名作中の名作椅子です。先駆けて1933年に製作された「スツール60」と同様の丸い座面と曲線を描く前脚をベースに、背もたれを付け加え、後脚2本は後方へ斜めに伸ばされています。こののびやかな曲線が不思議な愛嬌をかもしだし、シンプルながらも愛着を感じる椅子になっています。この椅子を名作たらしめているのは特にその脚部の加工です。ゆるやかに曲線を描く脚は、合板ではなく一本の角材を折り曲げたもの。拍子切りにした白樺の木に切れ込みを入れ、そこに薄板を挟んで柔らかくすることにより、折れることなくL字型になめらかに曲げることができるのです。この曲木加工は、実験好きな建築家アルヴァと優れた家具職人コルホネンにより開発され、効率的な大量生産を可能にし、多くの人々の手に低価格で優れたデザインの家具をもたらすことができたのです。
チェア66は背もたれが設けられた分、ゆったりと時間を過ごすのに適しています。テーブルを囲んで食事を楽しんだり、お茶を片手におしゃべりしたり。スツール60とも相性がとてもよいので、並べて使うのもおすすめです。
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コラム「萩原健太郎のDESIGN FROM SCANDINAVIA」
第2回
今あらためてアルヴァ・アアルトについて